蜂蜜博物誌

映画や舞台や読んだ本。たまに思ったこと

pixiv社のハラスメント問題を受けて:関係書籍やリンクの紹介

pixivユーザーである筆者が、pixiv社内で起きたトランスジェンダー女性への役員による性加害及びSOGIハラスメントやそれを巡る会社の対応(参照:https://www.bengo4.com/c_18/n_14525/)を受けて、関係するさまざまな課題について説明をされている書籍や参…

#検察庁法改正案に抗議します への理解に役立つリンク集

Twitterで行われているハッシュタグ・アクティビズム #検察法改正案に抗議します に「定年を他の国家公務員にあわせて引き上げるための法律だから問題がない」趣旨のリプライをしてる人々が一部に見られますが、これについては全国の弁護士会の声明を参照し…

舞台『team』(2019)_感想

100点un・チョイス!の舞台を見るのはこれで3作品目になる。直近で観劇した2019年版『誰かが彼女を知っている』も今回の『team』も舞台美術が抜群に良い。間近で見ればリアルな場が板の上にあって遠くから見ればセットひとつひとつの山稜のようなラインが美…

舞台『グーテンバーグ!ザ・ミュージカル!』(2019年)_感想

2名の役者が限られたセットの中さまざまな役をこなすコメディであること以外、何も前情報を入れないまま足を運んだのですが、作品における劇中劇が印刷機を発明した実在の人物ヨハネス・グーテンベルクを扱ったものだったのは久しぶりに嬉しい誤算でした。…

舞台『骨と十字架』(2019年)_感想

Twitterでの評判とタイトルに惹かれて初めて新国立劇場の小劇場を訪れました。ロビーの壁面に飾られた原人から新人までの歩みや、ゴシック調が美しいフライヤーの原画は、いずれも引き算の舞台美術を補完するような装飾性の高いデザインで、着席前から観客を…

舞台『クレイジーメルヘン』(2019)_感想

映画『ラ・ラ・ランド』の真逆のようなオチは好き嫌いの分かれるところだと思いますがオールフィメール演劇の良さを活かしたような脚本で個人的には面白く観ることができました。社会風刺がコメディとしてきちんと成立しているのも好印象。例えば舞台には大…

舞台『みんなのうた』(2019年)_感想

2014年に第26回池袋演劇祭に出品されたIKKAN氏脚本演出の再演である本作はテンポよく飽きさせないサービス精神に溢れる戯曲だったが、安堵と爽快感を覚える結末に至るための道程は、狙いこそ察せられるものの伏線とおぼしき要素要素がちぐはぐだった。「みん…

舞台『トンダカラ 2nd flight』(2019年)_感想

第一回公演が海と死と夢の物語なら、第二回公演にあたる本作は「あたらしい家族」の物語だった。それもまた夢の話かもしれない。私だって、どこかの女性のパートナーになって子育てをしたい。異性と結婚をする未来絵図よりも胸が高鳴るし、私の妄想メーター…

映画『ロマンティックじゃない?』(2019年)_感想

ラブロマンス映画を醒めた目で見ている主人公・ナタリーがあたまを打ち付け目覚めると、そこはラブロマンス映画の世界だった。 子どもの頃に愛したラブロマンスの世界はあまりに非現実的でご都合主義、かつ偏見表現に満ちている(寝起きのヒロインはメイクば…

舞台『BLUE/ORANGE』(2019年)_感想

『Take me out』(2018年)以来の青山DDDクロスシアターだったが、この『BLUE/ORANGE』に足を運んでやっと「はさみ舞台」の視覚効果としての意義を理解できたように思う。オフホワイトの空間の中心には鮮烈なオレンジ。照明を落とす演出には青い光。ウォーター…

舞台『舞台版「魔法少女(?)マジカルジャシリカ」☆第壱磁マジカル大戦☆』(2019年)_感想

周囲が初演で続々とドハマリしているのに影響されてシリーズ第二弾にあたる本作にはじめて足を運んだのですが、前作を観ればピタリとハマるだろうピースの数々を感じつつも初見でもじゅうぶん楽しめる内容でかなり満足度の高い作品でした。ただ単に初見の不…

舞台『となりのホールスター』(2019年)_感想

トリプルコラボ公演 第6弾 舞台《となりのホールスター》 | 合同会社シザーブリッツ・公式BLOG 演劇集団イヌッコロさんとのコラボ企画を初めて見たのは9月公演の『スペーストラベロイド』でした。ごまかしや勘違いによってもたらされる誤解の連鎖。「嘘」を…

舞台『SORAは青い The Sky's The Limit』(2019年)_感想

ここのところ小劇場の観劇が続いていたので久しぶりの中規模の舞台はとても贅沢に思えた。惜しみなく照らされるライトに加えてBGM・SEの多用も豪勢な感じがしたし、衣装もキャストの骨格に似合うものが選ばれていて衣装スタッフの腕のよさが伝わる。「…

映画『お嬢さん』(2016年)_感想

サラ・ウォーターズ『茨の城』を原作に、1939年・大日本帝国植民地時代の朝鮮半島を舞台にした、女性同士の性愛を描くガールズ・ムービーである。 舞台設定を含めて『お嬢さん』は重層的な支配からの解放を示唆している。日本人の令嬢である秀子は5歳で朝鮮…

映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)_感想

原題の直訳は「釜山行き」 娘を別居中の妻の元に連れていくため、日本の新幹線にあたる高速列車に乗ったファンドマネージャーのソグ。自らの利益や一人娘のためならば何を切り捨てても構わないと考える徹底的な合理主義者だった彼は、周囲が次々とゾンビと化…

映画『チョコレートドーナツ』(2012年)_感想

1909年に第1回「要保護児童に関するホワイトハウス会議」を開催したアメリカは「緊急やむを得ない限り児童を家庭生活から引き離してはならない」方針を定めた。これは「子どもの権利」がまだ社会的に認知されておらず、大人と同様に働かせてしまえるような社…

舞台『サンドイッチの作り方』(2018年)_感想

記事の表題がいつも無味乾燥な「タイトル_感想」なのでそろそろキャッチーなサブタイトルをつけたほうが親切なんじゃないかと考えたりもするのですが、そのあたりに割けるセンスがない以上に、少なからず、なんでもかんでも読解の助けになるような副題をつけ…

アンドロメダ瞬が女の子になったこととかついでに考えたこととか

聖闘士星矢が NetflixでフルCGアニメーションとして復活すると発表され、連載当時のそれとは異なる原作に忠実なアニメになるのでは?と期待を寄せるファンも多かったようだが、これまで公開された情報によればキャラクターの名前等変更箇所もそれなりにあ…

舞台『Take Me Out 2018』(2018年)_感想

2018年思い入れの深い作品は多々あったけれどもカタルシスを得られた観劇は『Take Me Out』だけだったかもしれない。2016年の初演は私生活が慌ただしく機会を得られなかった。春先にようやく観ることのできた再演は最高だった。芝居・演出・音楽・脚本、どれ…

舞台『虹色唱歌』(2018年)_感想

2009年に同じ紀伊國屋ホールで上演された作品の再演だそうです。初演は個人的に馴染みの深い入絵加奈子さんや椎名鯛造さんのお名前もあってびっくり。アフタートークで河原田巧也さんもお話されていましたが、舞台らしいテンポの速いセリフ回しが面白いコメ…

オフブロードウェイミュージカル『bare』(2016年)_感想

この記事は2016年7月にprivetterに掲載した感想に多少の修正を加えたものです。当時ありがたいことにTwitterのフォロワーさんをはじめ舞台のファン、「舞台は観ていないけど記事に共感した」という方から様々な反響をいただきました。今から思えば拙い点も多…

舞台『スペーストラベロイド』(2018年)_感想

ameblo.jp 遅くなりましたが2018年9月末から10月上旬にかけて上演された『スペーストラベロイド』の感想です。演劇集団イヌッコロの羽仁修さんが脚本を手掛け、2015年と2016年にも上演されたお芝居の再々演。これはもう面白さお墨付きだな!と期待をかけて臨…

舞台『朱を喰らうモノの月』(2018年)_感想

szhuwo-stage.com 応援している俳優・八島諒さんの初主演作品『朱を喰らうモノの月~標月島編~』を観劇しました。すっかり斜に構えた大人なのでタイトルが発表になった当初は「なんだこの厨二感は。えらいタイトルバイバイだな」と心配になったり不安になっ…

映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』(2017年)_感想

klockworx-asia.com (原題:택시운전사)光州事件(1980年)の実話をもとにした韓国映画。日本がバブル経済に浮かれていた頃、知られるように韓国は1987年の民主化宣言まで軍事政権下にあった。独裁の厳しいなか続いた民主化要求は、1979年・側近による大統…

舞台『PHOTOGRAPH51』(2018年)_感想

あらすじ 世紀の大発見をしたのは彼女。ノーベル賞をもらったのは彼ら―――女性科学者が殆どいなかった1950年代、ユダヤ系イギリス人女性科学者ロザリンド・フランクリン(板谷由夏)は遺伝学の最先端を誇るロンドンのキングスカレッジに結晶学のスペシャリス…

舞台『まっ透明なAsoべんきょ~』(2018年)_感想

演劇集団Z-Lion トップページ ※物語核心のネタバレを含みます。 〈まっ透明な世界〉からやってきた「透明人間」たちは目に見える人間のふりをして人間世界へ「社会勉強」に訪れる。ある夫婦が営む喫茶店へ「社会勉強」にやってきたのはキノコという女の子だ…